息を聴け …熊本盲学校アンサンブルの挑戦…
「息を聴け」(富田篤著、新潮社)
以前、当ブログのこちらとこちらに書いた、熊本県立盲学校アンサンブル部の、アンコン全国大会までの軌跡を書いた本です。あちこち検索してた時にたまたま引っかかり、ネットで購入しました。
ドキュメンタリーを見ているので、大会ごとの場面を書いた部分は「あ、あそこか・・・。」とマッチングができる分、先を読むわくわくさに欠けた、というのが、個人的な感想でした。
しかし、作者が依頼されて盲学校の指導を始めた時の苦労は、ドキュメンタリーでは映されていなく、興味を持って読むことができました。ここで出てきたのが、「ノーマライゼーション」と「障碍特性を理解して指導すること」。『・・・「上に上げたスティックを、・・・そのまま下に落としてみよう。」と言った。・・・上方に上がるはずのスティックは、あたり構わず縦横無尽に空を切った。・・・』なるほど、視覚障害者に打楽器を教えるのは、一筋縄ではいかないな、と納得し、よく全国レベルのアンサンブルを育てたものだ、と感心してしまいました。
(さらに個人的には、今の仕事につながる指導の苦労も書かれており、別な視点からも読んでお徳な部分がありました。)
他にも、いろいろ気が付いたところがありますが、ネタをばらすと良くないので・・・。
(そういえば、完全形ではないですが、グラスティル作曲「ジャンヌダルク」の譜面が巻末に載っています。これは、意外と美味しいかもしれません。)
音楽、特に打楽器に手を付けている人に読んで欲しい本です。
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